活動レポート

収容されている人の医療へのアクセスについて

東京入国管理局の施設に収容されている方が、著しい体調不良を訴えたものの外部の医療機関にかかるまでに24時間以上を要したことについて、入国管理局の対応に批判が殺到しています。
難民支援協会(JAR)では、本人が体調不良を訴えた当初より入国管理局及び関係者への連絡を続け、事実確認を行っています。憶測も含め、さまざまな情報が錯綜していますが、入国管理局の対応の詳細はまだ明らかになっていません。
本人は体調不良を訴えた当日に施設内で医師による診療を受けられたのか。受けられたとすれば、その医師が病状に応じた適切な措置を講じたのか。医師の退勤時間とされている17時以降、施設内でどのような体制で対応にあたっていたのか等、確認中です。
過去にも収容中の方が著しい体調不良を訴えたにも関わらず、適切な医療措置を講じず亡くなるという痛ましい事件が複数回起きました。入国管理局長は2018年3月、再発防止に向けて施設内及び外部での診療について以下の指示を出しています。
「被収容者から体調不良の訴えがあった場合は,その内容を十分に聴取するとともに, 体温測定や血圧測定により身体状況を的確に把握した上,診察の要否について医師等(医師、看護師又は薬剤師)の判断を仰ぐ又は速やかに医師の診察を受けさせるなど病状に応じた適切な措置を講じること。時間帯により看守責任者等が当該被収容者への対応を判断せざるを得ない場合は, 体温測定等の結果に異状が見られなくとも,安易に重篤な症状にはないと判断せず, ちゅうちょすることなく救急車の出動を要請すること」。
しかし、本人が医療に関する申し出を行っても、施設内での診察までに3日以上を要した事例の報告をJARは受けています。
収容されている人は難民申請者を含めて全国に1,433名いますが(2018年10月1日時点)、身体の自由を奪う以上、入国管理局は一人ひとりの生命・健康管理に全面的な責任を負う立場です。
JARはこれまでも入国管理局に対して、収容されている人々の医療へのアクセスについて改善を求めてきましたが、いま一度、改善を強く求めると同時に、夜間・休日も含めた緊急時における対応手順について開示を求め、さらなる改善に向けて働きかけたいと考えています。
▼収容について詳細はこちらの記事をご覧ください。
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