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アフガニスタン出身者を含む庇護希望者への迅速な保護等を求める声明

(Updated: 2021.8.27)

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※賛同団体追加(2021/8/27)

アフガニスタン出身者を含む庇護希望者への迅速な保護等を求める声明

2021年8月17日

 

NPO法人 名古屋難民支援室
RAFIQ(在日難民との共生ネットワーク)
認定NPO法人 難民支援協会

 

2001年9月11日の米同時多発テロ後、米国政府はアフガニスタンへの攻撃を開始し、その後米軍を駐留し続けていましたが、今年5月1日から駐留米軍が撤収を開始すると、反政府武装勢力・タリバン1が各地で勢力を拡大、8月16日タリバンは首都カブールの大統領府を掌握、政権奪還を宣言したと報道されています2

現状を受け、日本で難民支援を行う私たちのもとには、日本国内外のアフガニスタン人からの相談が相次いでいます。日本で難民申請中の方からの今後に対する不安、大学を卒業しても帰国できないと訴える留学生、アフガニスタンにいる家族を救う方法を模索している日本に暮らすアフガニスタンの方、アフガニスタンにいる方々からも、どうにかして助けてほしい、日本を含む他国に避難させてほしい等の相談が寄せられています。

日本に庇護を求めたアフガニスタン出身の難民は、難民認定や人道配慮により在留資格を得ている方々がいる一方、在留資格が無い状態で難民申請の結果を待っている方々がいることも確認しています。

アフガニスタンの情勢に対し、15日には、日本を含む70ヶ国以上が共同声明を発表し、「アフガニスタンの人々は、尊厳を持って安全に安心して暮らす権利がある。われわれ国際社会はアフガニスタンの人々を支援する用意があります」と表明しています3

また、13日にはいち早くカナダ政府が、2万人のアフガニスタン人を難民として受け入れることを発表しました4

これまでもタリバンに敵対していると見なされる者に対し、公開処刑、身体切除などの残忍な人権侵害が横行してきました。特に女性に対しては、強制結婚から逃れようとした10代の女性がタリバンによって石打ち刑で殺害されるなどが報告されています5。タリバンによる深刻な人権侵害のリスクや現下のアフガニスタンの状況を鑑み、日本政府に対し以下を強く求めます。

  1. アフガニスタン出身の難民申請者について、迅速に難民認定を中心とした庇護を与え、在留資格を付与すること。
  2. 難民申請中か否かに関わらず、帰国できないことを表明しているアフガニスタン出身者に対し、迅速かつ広範に安定した在留資格を付与すること。
  3. アフガニスタン国内または周辺国から、日本への出国・庇護を希望する者(日本在留の難民や難民申請者等の家族を含む。)に対して、渡航証明書や査証の発給を迅速かつ柔軟に行い、その避難を実効的に支援すること。
  4. 20年前の米同時多発テロ後、日本で難民申請中だったアフガニスタン人が、一斉収容されるという事件が起きたが6、このようなことを決して繰り返さないこと。

現在、深刻な人権侵害が起こっているのはアフガニスタンや、今年2月に軍事クーデターが起きたミャンマー、2011年に内戦が始まったシリアだけでなく、他の国や地域からも、日本に難民として逃れてきた方々がいます。アフガニスタンの方々に限らず、これらの方々にも同様の保護を強く求めます。

以上

 

【本声明に関する連絡先】

NPO法人 名古屋難民支援室

〒460-0002 名古屋市中区丸の内2-1-30 丸の内オフィスフォーラム601

Tel: 070-5444-1725 Fax: 052-308-5073

e-mail: info@door-to-asylum.jp

https://www.door-to-asylum.jp

RAFIQ(在日難民との共生ネットワーク)

〒532-0002 大阪府大阪市淀川区東三国4丁目9-13 OSAKA なんみんハウス

Tel/Fax: 06-6335-4440

e-mail: rafiqtomodati@yahoo.co.jp

http://rafiq.jp

認定NPO法人 難民支援協会

〒101-0065 東京都千代田区西神田2-5-2 TASビル4階

Tel: 03-5379-6001 Fax: 03-5215-6007

e-mail: info@refugee.or.jp

 

【賛同団体】(2021年8月27日時点)

NPO法人アジア女性資料センター

一般財団法人アジア・太平洋人権情報センター

特定非営利活動法人WELgee

(特活)NGO福岡ネットワーク

特定非営利活動法人 関西NGO協議会

全国難民弁護団連絡会議

一般財団法人とよなか人権文化まちづくり協会

特定非営利活動法人難民自立支援ネットワーク

日本カトリック難民移住移動者委員会(JCaRM)

日本ビルマ救援センター

NPO法人 無国籍ネットワーク

NPO法人メタノイア

ラーラ会

 

 

  1. 1990年代より、駐留外国軍の撤退及びアフガニスタン政府の打倒を当面の目標とし、その後、「アフガニスタン・イスラム首長国」による政府を樹立し、シャリーアに基づく統治体制の確立を目指している。[]
  2. ロイター「タリバン「戦争終結」宣言、アフガン大統領出国 欧米は退避加速」(2021年8月16日)[]
  3. 米国国務省 “Joint Statement on Afghanistan”(2021年8月15日);ロイター「アフガン混乱で60カ国以上が共同声明、退避希望者の出国求める」(2021年8月16日)[]
  4. 特に脆弱な立場である、女性指導者、人権擁護活動家、ジャーナリスト、迫害されている宗教的なマイノリティー、性的少数者等を対象とするとされています。カナダ移民・難民・市民権省 “Canada expands resettlement program to bring more Afghans to safety”(2021年8月13日)朝日新聞「カナダ、アフガンの2万人受け入れ 女性指導者など対象」(2021年8月14日)[]
  5. ジェトロ・アジア経済研究所/登利谷正人「ターリバーンとISの攻勢拡大により治安が急速に悪化:2015年 のアフガニスタン」『アジア動向年報2016年版』(2016年)[]
  6. 難民支援協会「9.11 同時多発テロ後、突然収容された難民申請者たち。あれから難民の収容は変わった か?[]