「収容」とは?
――入国管理局(現在の出入国在留管理庁、入管)の外国人収容所があることがあまり知られていない中、「収容」という言葉自体に馴染みのない人がほとんどだと思います。そもそも「収容」とはなんでしょうか。
「収容」=「保護」というイメージがあるかもしれませんが、入った経験のある人はみな、「刑務所のようだった」と言います。実際に鉄格子のある部屋に5、6人雑居で入れられ、仕事をすることも、外にも出ることもできない。ひとことで言えば「自由を奪う」ということです。
――そもそも人の拘束には相当な理由がなくてはなりません。入管の施設には難民申請中の人をはじめ多くの外国人が収容されています。なぜそれは正当化されているんでしょうか。
正当化はされないと私は考えています。しかし日本政府は「全件収容主義1」といって、在留資格がない人、不法滞在、不法入国の人など、退去強制する理由がある人はその事実だけで、難民申請中であるといった個別の事情や逃げる可能性がある、ないに全く関係なく、移動の自由を奪う、つまり収容することができると言っています。また、政府は収容の目的として「在留活動を禁止するため」と言っていますが、その考え方自体がおかしいと、この問題を深刻に捉えている弁護士たちで争っています。
すべての収容が駄目だとまでは言えませんが、あくまで収容とは、強制送還を実現するためのものです。例えば、あらゆる法的手段を尽くしたり機会を与えたが、もうどうしても最終的に帰国させなければならない人が断固拒否するので飛行機に乗せる直前に収容する、それはやむをえないとは思います。しかし、そうではない、危険な状況から逃れてきた難民申請中の人、帰国させる格別の理由もなく送還の目途が全く立たない人などを半年、1年と長期にわたって収容するのは本来の目的から離れています。政府としてはこの点の説明がつかないので、在留活動を禁止するための収容を主張するわけです。
しかし「在留活動」とは何でしょうか。心臓を動かす、呼吸する、食事をする、トイレに行く……すべて「在留活動」ではないでしょうか。これらを禁止することはすなわち、外国人には人権がないから殺してもいいと言っているのと同じです。さすがに政府もそうは言わない。ではどこで収容の可否を線引きするのか。そうすると、結局は強制送還を実現するために必要最低限に自由を制限することはできるけれども、それを超えるものは許されないとするのが真っ当な考え方2だと思います。
――難民に限った場合、どのような人が収容されますか?
偽造パスポートで入国した人、「観光」などビザを申請した際の来日の目的と実際のそれが違うとして上陸を拒否され、空港で収容された人3、在留資格がなくなってから(いわゆるオーバーステイ)難民申請をした人、難民申請が不認定となり「特定活動」による在留許可がなくなってしまった人。典型的なのはその4つですね。
――外にでる「仮放免」の申請には基本的に保証人や保証金が必要ですが、人によっては用意が難しいと思います。たまたま日本に逃れてきた難民の場合、日本にまったくネットワークがない状態ですから、面会ボランティアをしている善意の方を通じて誰かを知ったりしない限り、つては捜せない。最長でどのくらいまで収容されているんでしょうか。
法律上は、退去強制令書が発付された人については無期限収容が可能です。牛久の収容所に5年間入っている方がいると聞いたこともあります。長期収容されて仮放免で出てきた人でも、その人を取り巻く事情は、入る前と全然変わっていない。何のために収容しているのか全くわかりません。
収容所での処遇
――どんな症状を訴えても同じ薬――痛み止めを処方されて全然症状がよくならないと聞きます。改善されたのでしょうか?
それはたぶん変わっていないですね。
刑務所だと医療刑務所等がありますが、入管にそのような施設はありません。本当に重篤になると仮放免になり、外に出されます。自費で治療しろ、手術しろ、となるわけですね。
糖尿病など慢性疾患のケアも全く行われていません。2014年3月に40代のカメルーンの人が糖尿病で亡くなっています。普通に治療していれば糖尿病で亡くなる40代は稀でしょう。
――収容されている人にとって、最大の問題は何でしょうか?
自分がここにいることを正当化できないことだと思います。私は刑事事件にも携わっていますが、例えば真実殺人を犯したのであれば、裁判に何年かかっても、刑務所に入っても仕方がないと納得ができるでしょう。しかし難民の人たちは、危険な状況から逃れて、助けてもらえると思って日本に来たのに捕まっている。いつまで経っても自分の状態が腑に落ちず、非常に大きなストレスを抱えつづけています。処遇の問題ももちろん大事ですが、そもそも理由のない収容をしていること自体が諸悪の根源だと考えます。
――どんな人でも理由のない収容は許されないことですが、さらに驚くのが、小さいお子さんがいるような人でも容赦なく切り離して、子どもは乳児院や児童相談所に入れてお母さんだけ、それもシングルマザーだったりしますが長期収容ということもあります。
20年前は子どもも収容していましたよね4。私がこの活動をするようになったのは、イラン人の小学校3年生と6年生の子どもが収容された事件がきっかけです。子どもを収容するって何なんだ、と本当にびっくりしました。
お父さんが先に収容され、お母さんと子ども2人は在宅でしたが、けっきょく全員に退去強制令状が出て収容されました。夏の暑い時期、7月のあたまくらいのことです。今はもうありませんが、当時の東京入管第二庁舎という汚い施設に入れられて、運動場がなく、収容されている間いちども外に出ていない、太陽の光も浴びていない。窓の換気もしてくれない。毛布には長い髪がいっぱいくっついていて、枕なども洗濯されていない。シャワーも週に2、3回だけ。トイレは室内で、きちんと仕切られておらず、腰だけ隠れる衝立越しに洋式便器がある。このときはお母さんが参ってしまって、「イランに帰ったら殺されるかもしれないけれど、日本で子どもたちにこんな辱めを受けさせるわけにはいかないから帰ります」と言った。帰るけれどもお願いだから子どもたちを出してほしい、一学期を終えて、転校するからと友だちに最後のお別れをさせたい、そうしたら私たちは自分たちで帰れますから、と。彼らは最終的に第三国定住難民として受け入れてもらったノルウェーに行きました5。
イギリスの場合
――他の難民受け入れ国の状況はどうでしょうか。イギリスの収容所では、収容されている間でも英語を学べるなど社会統合のプログラムが用意されていると聞いたことがあります。
2012年、2014年にイギリスの入管収容施設を視察しましたが、英語、パソコン、ワードやエクセル、パワーポイントの使い方、ウェブサイトの作成まで無料で教えている。どうしてそこまでやってくれるんですか、と聞いたら、「彼らは永遠にここにいるわけではない。保釈されて社会に戻るかもしれないし、仮に本国に戻ったとしてもそのスキルが役に立つはずなので無駄にはならない」と答えました。管理する側の思想としても、何もさせないと暴動等が起きる可能性がある、意味のある活動をきちんとさせることでリスクを減らすという考え方をしています。
私が行った2012年、2014年の2年間でも進歩があって、以前は駄目だったフェイスブックが2014年には許可しない合理的な理由がないからと許可されていました。
――2年という短期間になぜそれが可能なんでしょうか。
視察委員会が綿密にチェックしているからだと思います。イギリスの視察委員は、基本的には週5日間、月曜から金曜まで収容施設の近くのビジネスホテルに6、7人のチームで泊まりこむ。施設では鍵を預かって、視察委員が見ることができない部屋、書類はない、話ができない人もいない状態で徹底的に5日間視察して、A4・100頁くらいの勧告を出す。それも出しっぱなしではなくてフォローアップも徹底されています。勧告自体には法的な拘束力はありませんが、勧告を出しっ放しにするのではなく、何度も何度も、ちゃんとやっているかどうかフォローすることによって実効性を持たせています。報道での扱いも大きいです。
日本の視察委員会は東西にそれぞれ十人の委員がいますが、各収容施設の視察は年一回、半日だけです。それも入管が全部お膳立てしている。面会を希望する被収容者に会うことはできますが、基本的に入管職員が案内する場所を見るだけ、そして入管職員が原案を書いた意見書を出しておしまい。東京弁護士会で数年分の意見書を確認しましたが、イギリスのようなフォローアップもされていません。
――イギリスと比較して、日本は特に何が問題でしょうか。
日本でいう仮放免の手続きが全く違います。イギリスの場合、仮放免のような制度である保釈の審査は入管(国境庁)ではなく難民移民審判所が行います。
収容された人は、収容施設の中からファックスで難民移民審判所に保釈を申請できます。ファックス代は無料です。申請が出されたら、審判所は原則、3営業日以内に公開法廷を開かなくてはなりません。入管がその人の仮放免に反対する場合、審判前日の午後2時までに反対する理由を本人、弁護士がついている場合は弁護士にも送らなくてはいけない。そうすることで何が問題なのかが分かり、時間は短いですけれど対策を練る時間が与えられます。
法廷では仮放免を求める理由、それに対して国側はなぜ反対なのか、保証人がいたら尋問する。本人は収容所の中からビデオで参加します。一部始終を見ており、何が問題なのかが審理の過程で理解できますし、裁判官からも理由がちゃんと説明されますので、保釈が許可されなくても、納得出来るのでは無いかと思います。また、一定期間経過後には再申請もできます。
私が傍聴した裁判ではその場で仮放免が許可されました。仮放免を決定すると、入管職員を呼んでこさせて、「今この人の仮放免を許可しました。直ちにファックスを送りますから、30分以内に放免してください」と裁判官が指示する。やっていることが物凄くダイナミックで背中がぞくぞくっとしました。人の身体の自由にかかわることであるから迅速に行われなくてはならないという意識が徹底しているんですね。
日本では仮放免の審査は入管が行います。申請書を提出して、1か月で結果が出たら非常に早いほう。2、3か月かかることも普通にあります。そして許可・不許可に関わらず理由は明らかにされない。不許可になっても、何が問題だったのかが分からないんです。仮放免が許可されても、何十万円かの保証金の納付や手続きにほぼ1日かかって、ようやく出てこられる。週末をはさんだら内部手続きの都合で3日かかることもあります。
――外国人の人権に対する考え方が根本的に違う。イギリスの場合ですと、外国人の人権もイギリス国民と同じように守られるべきだという考え方があるのですね。
保釈の認定を行う裁判官向けのガイドラインが公表されているのですが、冒頭「人の身体の自由は基本的な権利であって、イギリスの市民であろうが、出入国管理の対象となる人であっても同じである」との一文から始まっている。凄い、と思いました。日本の裁判所で、保釈のガイドラインなど公表されていないです。
イギリスの場合も日本と同様、保釈で出てきた人は原則として働いてはいけないんですけれども、1日10ポンド(約1,400円)が入金されるICカードが支給され、スーパーなどで買い物ができます。そんなに贅沢はできないけれども、働くことができない以上はそのくらいの面倒をみるのは当然だ、という考えです。
イギリスの入管職員や入管の業務を委託された民間会社のスタッフと話す機会があったのですが、「この民間会社の人は住居と運搬を担当している」と聞いて「運搬」の意味がわからないでいたら、「難民に住居をあてがった際、国境庁や収容施設から住居までの移動の車の手配をする」と言うんです。「日本では考えられない」と驚いていたら、「そんなの当たり前じゃないか。彼らは安全を求めてこの国に来たんだから、安全な環境を与えるのは私の任務だ」と入管職員が言うんです。
ハマースミスの誓いについて
――児玉先生はじめ有志の弁護士の方々によって結成され、外国人収容の問題に取り組んでいる「ハマースミスの誓い」という会について教えてください。
今までお話ししたように諸悪の根源は全件収容主義にあると思います。自戒を込めて言うのですが、それに対して弁護士たちもこれまであまり働いてこなかった、闘ってきませんでした。弁護士にとって大変な作業であるわりには、なかなか芽が出ない。そんなこともあって、これまであまり取り組まれてこなかったのだと思います。誰かが始めないといけない――2014年にイギリスに視察に行った際、そんな話をハマースミスという町のパブでして、その場にいた人たちで誓いを立てた。これが「ハマースミスの誓い」の出発になりました。
当たり前のことですが、外国人も同じ人間です。収容されることは、命の次に大事な権利を奪われることです。飲んだり食べたりも、トイレに行くのも、電話やメール、ツイッターやフェイスブックで発信することも、何もかも自由にできない。私たちがいま普通にしていることが、収容によって全て奪われてしまう。
違法だから、例えばオーバーステイだから悪いじゃないかといわれるかもしれないけれども、そんなこと言っていたら、赤信号で横断歩道をわたって刑務所2か月、駐車違反、スピード違反で刑務所3年と言ったらそれはおかしいとなりますよね。
それと同じです。法律に違反しているかもしれない。しかしやったことに見合った制限、バランスが必ずあるわけです。制限をするにしても必要最小限にとどめなくてはならない。これは、比例原則といって、法律を勉強した人間からすると当たり前の話なんです。
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収容問題の改善に向けて(2022年5月追記)
本インタビュー記事の掲載(2016年4月)後、収容はさらに長期化し、施設内での死亡事件や人権侵害が数々みられています。
2022年4月現在は、新型コロナウイルス感染拡大の抑制のため、多くの仮放免がなされ、長期収容問題が一時的に改善しているかのように見えますが、収容が入管の裁量に委ねられている点など問題の本質に変わりはありません。
ここでは、長期収容の実態とその背景にあった仮放免の厳格化について説明し、収容問題の改善のために何が必要か紹介します。
※ 本コラムは、おもに、難民支援協会「仮放免制度の運用変更による収容問題の悪化 ー 改善に向けて」よりまとめ直しています。引用元など詳細は当該記事よりご確認ください。
■ 長期収容の実態
2015年以降、仮放免が認められることがいっそう厳しくなり、長期収容におけるさまざまな問題が生じています。収容期間について、2018年、2019年は「6か月以上」の割合が約半数を占め、「1年6か月以上」の割合も増加しました。
2018年4月には、東日本入国管理センター(牛久)で、仮放免不許可を原因に自殺をしたと言われるインド出身の方のケースがあり、この自殺があったセンターをはじめ全国の収容施設で、長期収容を苦にした被収容者による仮放免を求めた大規模なハンガーストライキが起こりました(2019年6月から2020年1月末までの約半年で、235人)。そのような中、3年半以上収容されハンガーストライキをしていたナイジェリア人の方が、大村入国管理センターにおいて飢餓死するという事件も2019年6月に起きました。2016年以降、自傷行為も増加傾向となっています。
1997年から2022年1月5日現在までに、全国の収容施設において亡くなった方は、24人にのぼります。
■ 仮放免制度の厳格化
収容の長期化の要因のひとつに、仮放免制度の厳格化があります。
仮放免は、その基準や要件が入管法で明確に規定されていません。仮放免の対象などを入管庁が決定・実施でき、その変更なども入管庁が独自の裁量で行うことができます。
過去には、法務省入管局(当時)は、「被収容者の個々の事情に応じて仮放免を弾力的に活用することにより、収容長期化をできるだけ回避するよう取り組む」との方針を示したこともありました(2010年7月)。
しかし、2015年9月には、仮放免の対象が、裁判中や難民申請中であるなど「送還の見込みが立たない者」に限定されました。さらに、2018年2月、「収容に耐え難い傷病者でない限り、原則、送還が可能になるまで収容を継続し送還に努める」と、より厳しくなり、裁判中や難民申請中であっても仮放免が困難になりました。上記のグラフのとおり、長期の収容が顕著となっています。
新型コロナウイルスの感染拡大により、収容施設内の感染拡大を防ぐために、2020年4月、入管庁は仮放免をより積極的に活用するとし、その結果、多くの仮放免が出されました。被収容者数は激減し、2021年11月15日時点では全国で134人となっています。一方で、緊急事態宣言解除を理由に再び厳格化するよう2021年11月に指示があった6ことが明らかになり、コロナ禍でも厳しい姿勢が変わらないことが伺えます。
仮放免の運用方針が変更されてきたこのような経緯を振り返ると、そこには入管の裁量で決定できるという大きな背景と、そのうえで入管の都合を第一に考え運用されてきた姿が見えます。人の命を失うような重大な出来事も起こっており、しわ寄せは、難民申請者など個別の事情を抱える被収容者にも及んでいます。
難民申請中にもかかわらず収容されている人の数は、2017年末時点では605人で、その後減少し、2021年6月末時点では39人でした。空港で難民申請を行ったことで、収容に至ってしまった人も中には含まれます。難民申請者にとっての収容とは、難民申請手続き面での不利益にもつながります。収容施設外の情報にアクセスできず、難民審査のための証拠提出などに十分に向かうことが困難となるのです。
なお、仮放免後の処遇にも大きな課題があります7。仮放免では、就労、移動などの制限があり、国民健康保険に入れないことなどから、困窮を極める状態に置かれる人が多くいます。収容のストレスによる心身の不調などもみられます。
■ 収容問題の改善に向けて
これらの課題を解決するため、児玉弁護士も紹介するように国際社会ではさまざまな取り組みがなされています。
難民支援協会は、日本の収容問題に関して以下の改善が必要であると考えています。
- 国際人権基準に則り、収容の目的を限定し、収容期間の上限や司法審査を導入すること。日本も支持し採択された国連の「安全で秩序ある正規移住のためのグローバル・コンパクト」(2018年)では、「収容は最後の手段としてのみ用いられるべき」とされています。
- 在留資格を持たない難民申請者の法的地位の安定を目的とした制度である仮滞在制度8を活用し、難民申請者の収容を防ぐこと。
- 仮放免制度を適切に運用することと共に、仮放免者が日本で生きていくことができるような、処遇や権利の改善を図ること。
児玉晃一弁護士 プロフィール
1966年生まれ。1994年東京弁護士会登録。外国人の在留問題など多数の案件を手がける。2009年にマイルストーン総合法律事務所を開設。〈東京弁護士会〉外国人の権利に関する委員会(元委員長)、移民政策学会常任理事(元事務局長)。著書に「難民鎖国日本を変えよう!日本の難民政策FAQ(現代人文社 2002年)、「在留特別許可と日本の移民政策~「移民選別」時代の到来」(明石書店 2007年)、「全件収容主義」は誤りである(「移民政策研究」創刊号 2009年)など多数。
※ リンク先におけるURL変更により、一部URL修正(2022年1月)、インタビュー後の収容状況をもとにコラムを追加・注釈追記、および入管の正式名称の反映(2022年5月)
- 入管法39条、52条5項は、逃亡のおそれなどの拘束の必要性を、明文で要件として挙げていません。法39条では,行政実務上も退去強制事由該当の容疑のみが収容令書発付の要件であり、また退去強制事由該当容疑者には、出国命令制度による者など制度上の例外を除き、全て収容令書を発付しなければならないとする運用がされており、これを「収容前置主義」あるいは「原則的収容主義」と称し、容疑者を全件収容することを原則とするという意味で「全件収容主義」ともいわれています。[↩]
- 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は2014年に難民申請者の収容廃止を訴える世界的戦略を打ち出しました。「庇護を申請することは、合法な行為であり、基本的人権の行使です。彼らは保護を必要としている人々なのであり、常日頃からの習慣だからといって難民申請者を収容するべきではありません。我々は、特に子どもの収容をなくすため、各政府と協働していく用意があります」とフォルカー・タークUNHCR国際保護局長が語っています。[↩]
- 難民が日本にくるにはビザとパスポートが必要です。やむなく偽名を使ったり、ブローカーに頼んだりして偽造パスポートを手配する難民もいます。なぜなら、政府から迫害されている場合など、正規のルートで書類をつくれない人もいるからです。このような背景を考慮して、日本も加入している難民条約は、これらの「不法行為」を理由として、難民を罰してはいけない(難民条約第31条)と定めています。[↩]
- いまも未成年の収容はあり、移住連(移住者と連帯する全国ネットワーク)によると、2015年10月31日時点で11人が収容されています(2020年末時点で1名:2022年5月追記)。[↩]
- 当時は法務省から難民認定を得られずとも、UNHCR駐日事務所によって認定された人は、日本以外の難民受け入れ国への出国が手配されていましたが、2007年以降は行われていません。[↩]
- 共同通信「入管庁、宣言解除で仮放免厳格化」2022年1月25日 https://nordot.app/858611999877578752[↩]
- NPO法人北関東医療相談会「仮放免者生活実態調査」2022年3月 https://npo-amigos.org/post-1399/[↩]
- 在留資格を持たない難民申請者の収容を回避し法的地位を安定化するための制度。原則として難民申請を入国から6か月以内にしていること等の要件があり、仮滞在が許可されると退去強制手続が停止される。住民登録ができ一部の行政サービスを受けることもできる(就労は不可)。許可数は2020年で440人中15人(3%)。[↩]