活動レポート

【冬の支援のお願い】困窮が深まったまま迎える冬。難民の方々が生活をつなぎ、安心して暮らしていけるよう、あなたの「力」を貸してください。

本格的な冬が近づく中、長引くコロナ禍により、頼る先がなくなった難民の方々の困窮が一層深まっています。同時に、今年10月の外国人の入国制限の解除にともない、日本に到着したばかりの方からの相談も増えています。

迫害から逃れ、やっとたどり着いた日本で、知り合いも誰もいない、言葉も分からない、今日眠る場所もない、所持金はわずか・・・。そのような方々が助けを求め、私たち難民支援協会(JAR)の事務所に連日相談に訪れています。

Case :

アニスさんは母国の軍事政権から迫害されている宗教を信仰していることにより、政府寄りの武装グループに複数回拉致され、身の危険を感じて4年前に日本に逃れて来ました。

来日直後にJARに相談して難民申請をしましたが結果は不認定。就労資格がなくなり、働くこともできず日々の暮らしに困窮しています。

居候をさせてもらっていた友人も失業をしてしまい、家を出なくてはいけなくなりました。他に行く先がないアニスさんは全ての荷物を持ってJAR事務所に相談に来ました。

※写真はイメージです。個人が特定されないよう、情報の一部を変更して掲載しています。

【JARを訪れる難民の方々が直面している困難】

– 難民認定の厳しさ – 「迫害の客観的証拠など持っていない。あるのは身体の痣だけ」

日本の難民認定の条件は非常に厳しく、母国に帰れば身に危険が及ぶことを客観的証拠に基づいて証明する必要があります。さらに、JARや弁護士の支援を受けて難民申請をしても、申請結果が出るまで何年もかかり、また、難民と認められるべき人が認められないなど、多くの問題があります。

– 生活困窮 – 「所持金は500円しかない。病気になっても家でじっとしているしかない」

JARに相談を寄せる方々の多くが、毎日の食料に困っている、病気になってしまったが病院にかかるお金がない、水道電気が止められてしまった、など最低限以下の生活を強いられている状況です。また、今年の夏以降、ホームレス状態となってしまった方からの相談が増えており、困窮の状況がより深まっています。

– 就労の難しさ – 「やっとの思いで就職したがコロナ禍で会社が廃業、いまだに転職先がない」

就労資格が得られず働くことが出来ない方が多くいます。また、難民申請中で就労資格がある方にとっても、日本で就職するには言葉の壁や外国人を受け入れる会社の少なさなど多くのハードルがあります。

さらに、勤め先がコロナ禍により休業や廃業してしまった、転職先を探すにも求人が少ない中では非常に困難、という声が寄せられています。

このような課題を抱えつつ、母国の迫害の記憶や、日本での今後の生活の見通しが立たないこと、危険の待つ母国に強制送還されることの恐怖など、何重にも不安を抱えている方が大半です。

JARでは、相談を寄せる難民の方々それぞれの状況に応じて、できる限り、必要な支援を届けられるよう取り組んでいます。

より一層困窮が深まっている難民の方々の生活をつなぎ、今年の冬を越せるよう、そして難民の方々が安心して暮らせる社会をつくるために、皆さまからのお力添えを、どうかお願いいたします。

JARが実施している支援の内容

  • 難民お一人おひとりの状況に応じた個別の相談対応(アラビア語など日英仏語以外の言語が必要な場合は通訳を手配し、相談に乗っています)
  • 難民申請に関する情報提供や弁護士の紹介などの法的支援
  • ホームレス状態に陥った方が一時的に泊まれるシェルターを提供し、満室時も他の宿泊先を紹介するなど、路上に寝泊まりすることのないよう支援
  • 食料や生活物資の配送(通常は事務所でお渡ししていますが、事務所に来られない方には配送も行っています)
  • 病気やけが、体調不良を訴える方を病院などの医療機関につなぎ受診をサポート
  • 生計を維持するために就職・転職が必要な方への就労支援 など

皆さまからのご寄付は難民の方々への直接支援や、難民を受け入れる社会を目指した政策提言、広報活動に大切に活用させていただきます。