2020年夏の支援のご報告（期間：2020年6月1日～8月31日）

2020.9.29

▲写真：事務所を訪れる難民の方に食料や石鹸などの物資をお渡ししている様子。

今年の夏はコロナ感染拡大防止策を徹底しながら、6月末より週4日事務所を開く体制に戻し、訪れる難民の方々への支援をできる限り継続してきました。また、コロナ禍という例年とは異なる環境の中で、事務所に来られない方のためにオンラインでの面談を行ってきたほか、食料や生活用品などの物資の郵送を開始し、3か月間で64回発送しました。

なかには困窮していてもJARに連絡できずにいる方もいるのではないかという問題意識から、難民の方が多く住んでいる地域を中心に、スタッフが赴いて状況を把握し、支援を行う計画を進めています。夏の支援の様子は前回の活動レポートからもご覧いただけます。皆様からのご支援で、活動を継続できましたことに、心から感謝申し上げます。

この夏の支援実績（期間：2020年6月1日～2020年8月31日）

・事務所や収容所等での相談件数 289 件
・電話での相談件数 599 件
・シェルター提供⼈数 40⼈

この夏いただいたご支援*

・ご寄付の総額：16,232,995円（848件）※下記を除く
・古本でのご寄付（バリューブックス）：662,530 円（298 件）
　　*夏の寄付の案内開始(2020年6月10日)から2020年8月31日まで

夏の支援の現場から

就労準備日本語プログラムの模索

働くために最低限必要な日本語やマナーを3ヶ月間学ぶ「就労準備日本語プログラム」。コロナ禍で一時は休止していましたが、4月末からオンラインでの授業を開始。通常の教室での授業よりも1クラスの生徒数を減らすなど、先生方が工夫を重ねてくださり、丁寧な指導が続けられています。難民の方々にとっては、外出が制限されるなか日本語で対話・会話練習が行える貴重な時間です。慣れない環境ながらも、高い意欲で就労に必要な日本語を学んでいます。
▲写真：オンラインにて日本語プログラムを受講する様子。

厳しい状況が続く就労支援

JARでは就労資格のある難民の方と企業をつなぎ、安心・安全に働き続けられるよう支援してきました。しかし、これまで難民の方々が就職してきた業界・業種がコロナ禍で大きな影響を受けており、失業する人も増えていることから、厳しい状況が続いています。就労資格を得て新たに職を探す難民の方、コロナ禍で雇い止めにあったり勤務時間が減ったため求職中の方などから、問い合わせが多く寄せられており、担当スタッフが可能性のある業界を中心に日々求人情報を集め、企業と丁寧な調整を行いながら就職につなげられるよう尽力しています。

地域のレストランからの食事提供

「日本に来て初めて美味しいご飯を食べました」。JAR事務所近くのレストラン『ビストロユウ』より、週2回・10食分のお食事をご提供いただいています。ムスリムの方も召し上がれるようレシピにも配慮いただいています。ある支援者の方が費用をご負担くださっており、このような大変な時期に、ご協力によって難民の方々に美味しい食事を提供できることに、感謝の気持ちでいっぱいです。
※ レストランのオーナーからお申し出くださり、2020年10月より「週4回・8食分」に変更していただくこととなりました。お礼申し上げます。
▲写真：レストラン「ビストロユウ」さんにて。