これは熊本地震の際の写真ですが、今回も同様の視点から活動しました
この度の西日本豪雨で被災された皆さま、ご家族の皆さまに心よりお見舞い申し上げます。皆さまの安全と被災地の一日も早い復興をお祈り申し上げます。
甚大な被害を受けた広島県に難民の方々が住んでいることを把握し、難民支援協会(JAR)は7月14日からコミュニティ支援担当スタッフの鶴木を派遣しました。難民に限らず、日本での生活に慣れていない外国人が被災すると、適切な対処方法を知らなかったり、日本語の壁から十分に情報を得られなかったりなど、危険な状態に陥りやすいためです。
実際に、今回個別に訪問した難民の方々は最寄りの避難所を知りませんでした。幸い命を落とした人はいませんでしたが、断水で水にアクセスできず、熱中症になっている人もいました。
災害時にどう身を守るか、水や物資にアクセスできる近隣の施設や、熱中症の危険性と予防・対処方法、緊急時に必ず理解する必要のある日本語などを伝えて回りました。
被災した難民の方々への直接支援を通じて、その他のさまざまな理由で配慮が必要な人(要配慮者)にとっても重要な視点に気づくことがあります。
例えば、被災地では自衛隊が運営するお風呂や一部の銭湯が営業していますが、それらを利用できない人もいるという視点です。
宗教や文化的な背景から利用できないという人だけでなく、徒歩でたどり着けない妊婦や高齢者、あるいは介助がなければ入浴が難しい人のうち介助者の性別が異なる場合や、セクシュアルマイノリティの方々など、公衆浴場を使いづらい人がいます。しかし、被災時に浴場を使えないと、衛生的な問題から感染症などのリスクも高まり危険です。
このような視点から、公衆浴場や給水所へ行くための巡回車や、ある程度プライベートな空間が保たれるシャワー室の需要があることが分かります。
広島に入った鶴木は、難民の方々の状況確認とレクチャーのために個別訪問をしつつ、そこから見えてきた要配慮者に足りていない支援について、災害対応を専門とする組織のネットワークに報告し、支援の調整を依頼しました。
JARは日本に逃れてきた難民の来日直後の緊急支援だけでなく、災害対応など定住する過程で見えてくる地域の課題にも取り組んでいます。そして、難民支援を通じて、さらに広い層への支援にもつながるよう、意識しています。
被災地への派遣は、皆さまの日頃からのご寄付によって実現できました。さまざまなアプローチで難民を総合的に支援するJARの活動にご賛同いただけましたら、ぜひ、引き続きご寄付で応援をよろしくお願いいたします。
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