活動レポート

法的支援ケースカンファレンスの実施-弁護士を交えて多様な観点から議論する

    難民支援協会(JAR)は、今年度(2013年6月から2014年3月までの期間、なお2月18日現在)6回の法的支援ケースカンファレンスを実施しました。さらに今年度中にあと2回実施する予定となっています。

    法的支援ケースカンファレンスとは

    legal_edit.jpg法的支援ケースカンファレンスとは、JARの法的支援担当職員(3〜6名)と難民支援実務において深い専門知識を有する弁護士1名で構成される会議体です。JARで登録された難民、難民申請者全員について、今後の法的支援の方向性を決定します。法的支援ケースカンファレンスは、スタッフの知識の偏りなどによって、支援がばらついたり、不十分になることがないよう、担当職員と法的支援職員に外部者である弁護士を交えて、それぞれの知識を持ち寄り、多様な観点から議論を行います。そして、合議で支援方針を決定しています。
    法的支援ケースカンファレンスは1回あたり最低3時間程度の時間を要します。難民一人一人に様々なニーズがあり、最適な支援方法も異なるため、個別に評価を行うことがとても重要だからです。またこうした場によって、支援方針の決定における公平さも担保され、法的支援職員の知識の平準化を期待することができます。このように、法的支援ケースカンファレンスは、法的支援を提供する上でとても重要な役割をはたしています。
    弁護士は関聡介氏(銀座プライム法律事務所)、市川正司氏(新千代田総合法律事務所)、鈴木雅子氏(東京パブリック法律事務所三田支所)に加え、今年度から宮内博史氏(東京パブリック法律事務所)の4名が順番に参加しました。

    多様な背景に応じた支援を

    2013年度に登録された数は42ヶ国、367件(2014年2月18日現在)と多く、難民となった背景もとても多様です。そのため法的支援ケースカンファレンスの参加者全員が持っている知識を共有し、効率的にケースの評価を行いました。2013年度に法的支援ケースカンファレンスで議論したケースは445件に上ります。2012年度以前から繰り越されたケースも含めて、多くのケースを適切に評価し、最適と思われる支援方針を決定しました。その結果、母国に帰国した際のリスクが極めて高いため、経験のある弁護士とともに、集中的に支援すべきだと判断されたケースは44件となりました。ほかにも、通訳を交えて行った追加聞き取り、出身国情報の調査、特定の弁護団へのリファー、陳述書作成補助など、各受益者のニーズに応じた支援方針が決定されました。

    参考 2013年度 ケースカンファレンスの概要

    法的支援ケースカンファレンスは下記のとおり実施しました。
    2013年
    1. 6月6日 14:00〜17:00 宮内 
    2. 7月8日 15:00〜18:00 鈴木 
    3. 9月20日 13:00〜16:00 関 
    4. 11月28日 14:00〜17:00 市川
    5. 12月24日 15:00〜18:00 宮内
    2014年
    1. 1月10日 13:00〜16:00 関
    2. 2月19日 15:00〜18:00 鈴木
    3. 3月12日 15:00〜18:00 市川

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