3月5日(火)に新宿区のJFICホール「さくら」にて、国際交流基金地球市民賞の授賞式が行われ、難民支援協会(JAR)が表彰されました。
地球市民賞は、市民が主体の、地域、コミュニティに根ざし、先導的なモデルとなる国際文化交流活動に対して、1985年より行われている表彰です。
今年度は3団体が受賞し、JARは難民の緊急ニーズに応える包括的な支援と、日本社会への貢献を希望する難民による東日本大震災被災地でのボランティアが高く評価され、受賞することができました。授賞式では、JARの活動を素敵なVTRでご紹介いただき、たくさんの方からお祝いの言葉をいただくとともに、多くの方が難民の現状とJARの活動について関心を寄せてくださいました。
また、表彰いただいた後、事務局長石川えりが、代表してスピーチをさせていただきました。
photo : Kenichi Aikawa
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スピーチ全文
このような晴れがましい場を与えて頂き、大変感謝しております。また、緊張もしております。
この度は、国際交流基金地球市民賞というすばらしい賞を頂きまして本当にありがとうございます。
国際交流基金様、審査員の皆様をはじめ、関係者の皆様、またこれまで支援してくださった方々へ心よりお礼申し上げます。そして、この受賞のきっかけを作ってくださった、被災地でボランティアをしたいと提案してくれた、難民の方々に、感謝の気持ちをお伝えしたいと思います。
私たちは、日本に来ている難民が食べたり、寝たり、働いたりする、当たり前の生活を送れるよう支援している団体です。ただ、その当たり前がなかなかかなえられないことも多いです。
今、現在取り組んでいるのは越冬支援でして、凍死することなく冬を越すということが一番の課題です。緊急の支援も多いですが、日本社会の中で生き生きと才能を発揮して暮らしていかれるような自立への支援、文化発信などにも取り組んでおります。
大きな被害をもたらした東日本大震災からもう2年がたとうとしています。犠牲になられた方のご冥福を改めてお祈りしたいと思います。
難民も含む外国人の人たちは、「災害弱者」とされています。言葉が通じないためですが、確かに震災の際もそのような面はありました。いつ停電になるかわからない。余震は来るのか?放射能は自分のところには来るのか?など、情報にアクセスできず混乱してしまう姿がありました。そういった状況に対して、多言語で情報提供をするなどの対応をさせて頂きました。
一方、災害の翌日から事務所へ被災地へ行きたいという熱心な声も多く寄せられました。「自分はスマトラ沖大地震の津波の被災者支援にかかわっていた。自分を被災地に送るべきだ」という方、「故郷に帰れない自分たちだからこそ被災者の方々の痛みに共感している」という声も寄せられました。彼らの声に押される形で、私たちは難民による被災地でのボランティア活動を決めました。
彼らを温かく受け入れてくださった、陸前高田市の皆様にも心から感謝したいと思います。交流の中で、「陸前高田を第二の、第三の故郷にしてください」、と言ってくださった地元の方もいらっしゃいました。
この受賞は日本で暮らす難民の方々への力強いエールになると考えています。私たちもこれまで以上に現場で支援に励んでまいりたいと思います。
本当にありがとうございました。