1999年7月7日
報道関係者各位
難民支援協会設立準備会
「難民支援協会(Japan Association for Refugees)」の設立総会についてご通知申し上げます。広報方お願い申し上げますとともに、7月17日の記念講演、設立パー ティーにおいでくださいますようご案内いたします。
要旨
私たちは7月17日(土)、難民支援協会(Japan Association for Refugees)の設立総会 を開催します。 この組織は、日本における難民関係の問題に、系統的・総合的に対応する、日本 で初めての組織です。その活動の基本となる3つの柱が、(1)政策提言(2)個別難民 の支援(3)情報の収集と発信――です。 現在、世界の難民は1000万人以上といわれ、日本に保護を求めてやってくる 難民申請者も少なくありません。また今後、問題はますます国際化、複雑化、多様 化することが考えられ、組織・団体間のネットワークを作り、息の長い支援活動が 必要だと考えています。 ぜひ事前の取材・告知、当日の取材をよろしくお願いいたします。
本文
なぜ「難民支援協会」が必要か
95年には52人だった日本における難民認定申請者数が、96年には147人、97年242人、98年133人と、ここ数年大幅に増加しています。さまざまな迫害を逃れて、生まれ故郷から日本に来て、日本政府に難民申請したものの、多くの人は、何の生活保障もないまま何年も待たされています。また認定を受けるのも決して容易ではありません。さらに、認定されたとしても、今の日本社会には、難民を受け入れる法的、社会的基盤はなく、国際的に見ても日本の難民行政は大きく立ち遅れているといえます。難民を認定し、受け入れ、保護するのは、日本も加入している「難民の地位に関する条約・同議定書(難民条約)」上の国家の義務でもあります。今後ますます、国際化が進展し、カネ・モノだけでなくヒトの移動が国境を超えて増大するなか、難民問題への早急の取り組みは、難民個人のみならず国際社会の中で日本が生きていくための急務の課題と言えます。
活動内容について
以上の現状を踏まえ、私たちの難民支援活動は以下3つの点を中心に進めていきます。
- 政策の提言
- 難民認定を申請して、結果が出るまで現状では2年も3年もかかることは稀ではありません。難民認定申請者という立場だけでは働くことができない現在の状況では、申請者に生活の苦労が重くのしかかっています。申請期間中の生活費の補助、就職や職場の労働条件、疾病時の保険の問題など、制度改善を政府や自治体に強く求めていきます。また難民認定を受けた人たちに対する、日本語教育をはじめ、日本の法制度教育、一定期間の住居のあっせんといった制度は日本にはなく、諸外国に比べて、まだまだ遅れている面が多くあります。認定の手続き面だけでなく、難民として認定された人へのケアについても、積極的に発言します。
- 個別難民の支援
- 制度改善と並んで、日々の生活や仕事、病気になったときの対応、煩雑な難民申請資料の日本語への翻訳や通訳の斡旋、自国で受けた迫害に関する資料の入手、弁護士の斡旋など、難民個人に対する相談事にも適宜、対応していき ます。
- 情報の収集・発信
- 以上のことは、一つの組織だけでできるものではありません。さまざまな面で、いろいろなノウハウを蓄積している他団体・他組織との間でネットワークを作り、情報をやりとりして、データ化していくことが必要だと考えています。また一般の市民の方々に対してもさまざまなチャンネルを通して難民の現状や課題を伝えていきたいと考えています。
設立総会開催について
- 日時
- 1999年7月17日(土) 午後1時〜午後2時半
- 場所
- 早稲田奉仕園キリスト教会館6階7AB室(東京都新宿区西早稲田2-3-1、TEL03-3205-5411)
記念講演
設立総会に引き続き 午後2時半~午後4時 (同じ会場で) 参加費:500円
- 「世界の難民とUNHCR」(仮称)
- 斉藤 千香子・UNHCR(国連難民高等弁務官)日本韓国地域事務所主席広報官〈予定〉
- 「日本の難民政策」(仮称)
- 本間 浩・駿河台大学法学部教授(国際人権法)
設立記念パーティー
記念講演に引き続き午後4時から午後5時半 参加費:3,000円
難民支援協会設立準備会 連絡先
- メールアドレス
- jar@geocities.co.jp
- 住所
- 〒150-0002 東京都渋谷区渋谷1-13-18 ビラ・モデルナ B207
- 担当者氏名(ふりがな)
- 筒井 志保(つつい しほ)