難民の故郷の味を学食に
難民支援協会(JAR)が日本で暮らす難民と共に作ったレシピ本「海を渡った故郷の味 Flavours Without Borders」から新しい取り組みが始まっています。難民の故郷の味を学生食堂のメニューに導入しようというものです。両親がビルマ出身の難民で、日本生まれの難民2世であるシャンカイさんをはじめ、5大学の学生たちとJARが連携して進めています。現在、関西からは関西学院大学と立命館大学、関東からは明治学院大学、東京外国語大学、国際基督教大学が参加しており、随時、参加大学を増やしていく予定です。
*写真(左から)試食会で出されたカチンの牛挽き肉のスパイシー炒め、M4Rの学生たちとJARスタッフのミーティング、東京女子大学での試食会の様子
学生発、食を通じた難民支援
Meal for Refugee(M4R)の取り組みの目的は、学生の難民への関心・理解を深めることです。日本にはこれまで1万人以上の難民が逃れてきて暮らしていますが、その事実はあまり知られていません。シャンカイさんは難民を対象とした奨学金制度を利用して関西学院大学に入学しましたが、周りの学生に自分は難民であると話すと、ネットカフェで寝泊まりをしているイメージをもたれるなど、難民が本来の意味で知られていないことを痛感したそうです。日本にも難民が逃れてきているということを気軽に知ってもらうため、学生の多くが日々利用する学生食堂に目をつけました。
M4R導入に向けて
メニューの導入には、大学や食堂との交渉やメニュー開発のための試食会を行う必要があります。5大学の学生たちは半年ほど前から主にオンライン上でミーティングを重ね、互いの進捗を報告したり、より円滑に進めるための工夫を共有したりしながら準備をしてきました。その結果、6月20日の「世界難民の日」には、5大学すべてで難民の故郷の味を提供できることとなりました。各大学では以下の日程で提供予定です。
関西学院大学 6月17日(月)〜6月21日(金)
立命館大学 6月10日(月)〜6月21日(金)
明治学院大学 6月20日(月)・27日(月)・7月4日(木)
東京外国語大学6月17日(月)〜6月21日(金)
国際基督教大学 6月3日(月)〜6月20日(木)
支援の輪を広げる
〜酒井貴子さん(国際基督教大学4年 JAR広報部インターン)の声〜
導入したメニューは生徒だけでなく職員の方にも興味を持って
食べていただいています。メニュー導入をきっかけに学生だけでなく、
学食を利用する地域の人たちにも難民について知ってもらえたらと思います。
食べるだけで終わらないよう、食堂で日本の難民に関して書かれたパンフレットを配布したり、あわせてイベントを開催したりなど工夫していきます。売上の一部が難民支援活動に使われるよう交渉してくれている大学もあります。JARは学生たちによる認知向上へのチャレンジを大変心強く思っています。引き続き、学生たちを後方支援しながらM4R参加大学を増やしていきたいと考えています。
*M4Rのフェイスブックページに是非いいね!をお願いします。
*参加大学募集中!(info@refugee.or.jpまで)
*「海を渡った故郷の味 Flavours Without Borders」はこちらからご購入いただけます