活動レポート

コロナ禍の冬、難民の方々への支援を継続しています

厳しい寒さが続く中、新型コロナウィルスの感染拡大の勢いも止まりません。日本に逃れてきた難民の方々にとっても初めての経験となるコロナ禍の冬、私たちの支援の様子を一部、お伝えします。

昨年6月末以降、事務所を週4日開けて、難民支援協会(JAR)の事務所を頼ってこられる方々への支援を継続してきました。今年の年明け早々に出された緊急事態宣言により、事務所の営業日数を週2日に減らしながらも、対面での支援が必要な難民の方々が事務所に来られる機会を維持するため、事務所は閉じずに継続しています。同時に、昨年以来実施している電話やオンラインを活用した相談対応や情報提供なども続け、難民の方々が感染するリスクを下げながら、必要な支援を届けられるよう取り組んでいます。

image1.jpg ▲写真:事務所の難民の方々向け入口には開所時間を英仏の2か国語で明記しています。

難民の方々の心の支えともなるカウンセリングも、対面とオンラインで継続して行っています。感染拡大は、これまで以上の就職難など難民の方々の生活にも大きな影響を与えていますが、コロナ禍以前から難民の方々が対峙している精神的にも経済的にも苦しい状況もまた変わらずにあり、「コロナまで心配する余裕さえない」という声も寄せられています。迫害のトラウマから日本に逃れてきた今でも毎晩悪夢にうなされているという方や、難民認定されずに収容されたり、母国へ送り返されるのではないかという不安で頭がいっぱいだという方など、難民の方々に特有の困難な状況も続いているのです。

生活支援では、食料や生活物資を事務所でお渡しする他に、コロナの感染状況から事務所に来られない方へは配送による提供を行っています。JARに相談にくる方の7割がアフリカ諸国出身であることから、この冬は提供する食料にアフリカ系の食材を入れるなどの工夫をしたほか、12月にはホリデーギフトもお渡し(または配送)しました。それまでずっと暗い表情をしていた方が故郷の食材を見てぱっと笑顔を見せてくれたり、ホリデーギフトを配送した方から「素晴らしいプレゼントにとても感激した」というお礼のメールをいただいたりと、少しでも心が温かくなる瞬間を感じてもらえたのではないかと思います。年内最後の営業日に事務所に来た方は、帰り際にダンスで今年の感謝の気持ちを伝えてくださり、かえって私たちが励まされる思いでした。

image2.jpg ▲写真:ホリデーギフトとして故郷を感じてもらえるような食材や、切り詰めた生活の中ではなかなか購入することができない水筒、折り畳み傘をプレゼントしました。

image3.jpg ▲写真:12月は、年末年始用の支援に備えて普段以上にたくさんのお米や食料が事務所に並びました。

昨年12月からは、事務所へ相談に来たくても来られない方がいるのではないか、という懸念から、しばらく連絡のない難民の方々へ電話をかけて彼らの様子や支援のニーズを聞く取り組みを始めました。従来は事務所に相談に来る方への支援を基本としていましたが、コロナ禍で難民の方々も普段以上に外出を制限している中、私たちの方から彼らへアプローチをする必要性を感じて始めた取り組みです。これにより、コロナ禍で見えにくくなっている難民の方々のニーズにしっかりと対応していきたいと考えています。

これらの活動は全て、ご寄付や食料のご寄贈、ギフト作りへの協力など、皆さまからのご支援があってはじめて実施することができました。日頃からの温かいご支援に心より感謝いたします。引き続き、日本に逃れてきた難民の方々へ関心を寄せていただけましたら幸いです。

※支援活動は掲載時点の内容です。感染拡大の状況に応じて一部変更の可能性があります。