
JARではこの冬も来訪される方々に、住居や食料などの生活支援や難民申請についての相談対応など、さまざまに支援を行いました。年末年始には、普段よりも多めに食料を渡すなど、年を越すことを意識した対応も行っています。
中東出身のあるご夫婦は、生まれたばかりのお子さんとともに12月に来日しました。当初は夫婦一緒に泊まれる場所を確保できなかったのですが、1週間後には家族で入れる先を見つけることができました。その後も、お子さんの健康保険の手続きなど支援を続ける中で「ずっと気にかけてくれてありがとう」と伝えられています。食料の提供も行っていますが、仕事を探したり、モスクで支援を求めるなど、ご自身でもこの状況を乗り越えようとされています。
慣れない環境と寒さで体調を崩す人も少なくありません。何名かの方が、年始にJARの緊急連絡先に体調不良を訴えて来られました。特に体調の悪かった方は、なんとか空いている病院を探して受診につなげ、幸い大事には至らずにすんでいます。ご本人も安心をされた様子でしたが、継続して医療面での支援を行っています。
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難民は、逃れられるときにわずかな機会を捉えて母国を逃れます。季節を選ぶことはできません。この冬も新たに日本に来られてJARに相談に来られる方が後を経ちませんでした。日本に逃れてきた難民の方々にとって、冬は厳しい寒さに加え、公的機関など様々なサービスへのアクセスが制限される年末年始を乗り越える必要があり、特に厳しい時期です。

年始に事務所を再開すると、毎年同様、今年も多くの相談者が来訪しました。理由はさまざまで、中には仕事を見つけたことの報告をされる方もいますが、長く待たされる難民申請手続きや、安定して生活できない状況の中で、先が見えない中での相談が中心です。一人ひとりに対し、今後の手続きを説明し、保護費の申請などご自身でやっていただきたいことも伝えつつ、食事や食料の提供なども行ないました。
いずれの支援も、個人や企業・団体の皆さまからのご寄付、寄贈、ボランティアなど、多くの力に支えられて継続できています。支援が必要な状況は続きます。
今後も困難な状況に置かれた難民の方々に心を寄せご支援をくださいますよう、お願いいたします。
【この冬の支援実績:2024年11月〜2025年2月】
- 事務所や収容所等での相談件数 1,361件
- リモートでの相談件数 1,773件 (電話やメール、オンラインビデオ通話による相談・支援)
- シェルター・宿泊費提供人数 98人 (期間前からのシェルター入居を含む)
- 物資の宅配数 83件
【いただいたご支援*】
- ご寄付の総額: 31,989,816円(1,274件)
(* 冬の寄付の案内開始(2024年11月18日)から2025年2月28日までにいただいた一般寄付)
いただいたご寄付をもとに、難民の方々への直接支援のほか、政策提言や広報活動にも引き続き取り組んでいます。