活動レポート

【報告】難民アシスタント養成講座 43期 を開催しました!

2日間にわたる難民アシスタント養成講座を終了しました!

今年は、3回目のオンラインでの開催となりました。
11/5(土)、11/12(土)の2日間の日程で、全国各地や海外を含め、約170名の方々にお申込みをいただき、学生、社会人、主婦/夫、退職者など、幅広い年齢層の方々、また職種においても、会社員、自営業、医療・福祉従事者、法律関係者、NPO/NGO関係者など、さまざまなバックグラウンドを持つ方々にご参加いただきました。

この講座は、日本における難民の置かれた状況や、難民受入れに前向きな社会づくりの取り組みを知り、ともに考えることを目的とし、難民支援、また難民を受け入れる社会づくりに貢献できる人材育成を目指しています。

2日間の講義を通して、受講生の方々から多くのご質問をいただき、皆さんの関心の高さや熱意が伝わってきました。

2日間にわたる講義

1日目は、冒頭のイントロダクションで「難民とは」「難民『保護』とは」、世界の難民、日本の難民の受け入れ状況難民を取り巻く状況の概観を掴むところからスタートしました。続いて関聡介弁護士から、「難民」の定義難民認定制度の概要と課題をわかりやすく整理いただいたうえで、駒井知会弁護士から具体的な事例を交え、制度の問題点についてリアリティ且つ熱意を持ってお話いただきました。頭で理解するだけでなく、感情を動かされ、変えていかなければならないという気持ちにさせられた、という受講生からの感想が寄せられました。

後半は、JAR支援事業部マネージャーの新島から、難民の生活状況と生活支援の実践についてお伝えし、難民の方々が困難を強いられている現状と支援現場の取り組みについて理解を深めていただきました。代表理事の石川からは、難民保護の改善に向けた政策や一般社会へのアプローチに関する取り組みについて紹介しました。

最後に、企業や社会人の難民支援に関する取り組み事例として、英国発のナチュラルコスメブランドLUSH(ラッシュ)の小山大作さんからのラッシュの理念や難民支援の取り組みについてのご紹介と、社会人の亀山萌子さんから、JARボランティアによるDAN DAN RUNチャリティラン&ウォークのチャリティイベントの活動についてのご報告をいただきました。講義後のオンラインでの懇親会には、約30名の方々がご参加され、お互いに難民問題に関心をもったきっかけや、実際に行っている取り組みなどを分かち合い、参加者同士の交流の時間を持ちました。

2日目は、ミャンマー(ビルマ)出身の難民のゲストの方から、日本に逃れてきた背景や、難民申請に関わるさまざまな苦労、そして現在の生活など、困難を乗り越えてきたご自身の貴重なお話を聴かせていただきました。
研究者の渡戸一郎先生からは、日本における移民・難民受け入れと多文化共生の政策を、歴史的な観点と現状の取り組みや課題を踏まえた講義をいただきました。

後半は、JAR定住支援部マネージャーの可部より、就労支援について「難民申請者」「第三国定住難民」「Complementary Pathways(留学生など補完的な形での難民受け入れ)」のそれぞれに見る就労支援の特徴を具体例を交えてお伝えしました。最後の講義では、社会福祉法人 日本国際社会事業団(ISSJ)の近藤花雪さんから、日本の難民を含む移住者コミュニティへのアプローチと取り組み、またそのアイディアにもなったドイツの取り組み事例も紹介いただき、支援を通じて見えてくるコミュニティの状況について理解を深めることができました。

講座の最後にはグループディスカッションを行い、学校、企業、地域などの身近でできる難民支援について意見を出し合い、最後に「私は〇〇をやります!」という宣言とともにそれぞれが身近でできそうなアクションをシェアしあいました。「SNSで自分が難民について知ったことを発信します!」「多文化理解の4コママンガを作ります!」「難民支援をしている(難民が経営する)レストランに行ってみる」「自分にできるボランティア活動に参加してみる」など、さまざまなアクションが出され、ここから新たな一歩を始める決意を皆さんで共有することができました!

グループディスカッションでの参加者の皆さまの「宣言」

参加者の感想(抜粋)

  • 自分が知らなかった現状と課題を知ることが出来たのと、知っているようで知らなかった事が今回の講義で沢山学ぶことが出来ました。これからも関心を持って学び続けることと、自分が出来ることを積極的に探していこうと思います。
  • 難民問題が置かれている状況を知り、課題や問題点があらためて浮き彫りになったと思います。とても勉強になりました。地域における難民支援の必要性を痛感しました。
  • この2日間を通して、難民という言葉により広がりを持つことができました。今日情勢などが複雑化し、現在の難民という定義も数年後にまた変わるかもしれない。また、いつ日本人も難民になるかわからないという危機感も感じました。自分ごとに少しでも捉えられ、参加してよかったです。
  • 講義に参加したことで、自分ひとりで学んでいるだけでは知ることのできない知識(弁護士の方や実際に支援をしている方々のお話)を得たり、ディスカッションで士気を高めることが出来ました。
  • Meal for Refugees(学生を中心とした学食での活動)を本学でもやれたらいいなと思いました。来年は学生がこの養成講座に参加するよう仕掛けていこうと思います。

受講生の皆さん、2日間本当にお疲れさまでした。ご参加いただきありがとうございました。今後も皆さんとともに、難民支援の輪を広げ、難民受け入れに前向きな社会づくりを目指していきたいと思いますので、これからもどうぞよろしくお願いいたします!

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