難民支援協会(JAR)が来日当初から支援していたエチオピア出身の女性(写真中央)が、難民不認定となったことを不服として起こしていた裁判について、東京地裁は昨日、国の不認定処分を取り消す判決を下しました。
彼女はエチオピアで女性の権利を守る活動に従事していました。警察から団体からの脱退を求められた際に従わなかったことがきっかけで拘束され、性的な暴行などを受けたといいます。家族が保釈金を支払い、一時的に拘束を解かれた隙に来日の機会を捉えて、2008年に難民申請をしました。
2009年には日本で交通事故に遭い、法務省入管による難民審査のインタビューは車いすで臨んだそうです。2011年に難民不認定となり、異議を申し立てました。その結果が出るまで、さらに4年を要しましたが、結果は変わりませんでした。
彼女は証拠として活動していた女性協会の会員証、出頭要請書、指名手配書を提出したものの、法務省入管はそれらの証拠価値がないとして主張を退けていました。
裁判では、それらの証拠が本物であると判断され、難民不認定処分が取り消されました。難民申請から10年が経っています。会見で彼女は涙を流しながら、
「これからも日本で暮らしたいと思っています。まだ安心はできませんが、弁護士の先生方のおかげでここまで来られたことが嬉しいです」と感謝の気持ちを述べていました。
控訴される可能性や、再び難民不認定となる可能性も拭いきれませんが、彼女が速やかに難民として認められること、そして、母国に送り返される恐怖なく、日本で希望を持って生活できる日が一刻も早く訪れることを願っています。