難民支援協会は、外務省の実施する難民申請者への生活支援金(保護費)の予算が不足し、まだ多くの者が保護費の支給を待っている状態であることを受け、ほか6団体とともに外務省に再々度の申し入れを行いました。
13日に西村智奈美外務大臣政務官に面会し、以下の申し入れ書を手渡し、会談したのちに記者会見を行いました。
西村政務官からは、「外務省内の会議ではすでに難民についての話も出ており、難民問題を重要視している。予算については厳しい状況もあるが、支援の重要性は理解しているので、できる限り対応したい」との回答がありました。また、保護費だけではなく、難民政策全体の抜本的な見直しについてもその必要性を認識している旨のコメントがあり、支援団体では今後も働きかけを継続していく予定です。
9月末まで実施していた難民支援緊急キャンペーンにつきましては、こちらをご覧下さい。
外務大臣 岡田克也 殿
社団法人 アムネスティ・インターナショナル日本
カトリック東京国際センター
全国難民弁護団連絡会議
社会福祉法人さぽうと21
社会福祉法人 日本国際社会事業団
社団法人 日本福音ルーテル社団
特定非営利活動法人 難民支援協会
昨今の難民申請者の急増に伴い、申請者への唯一の生活支援金である保護費(外務省が財団法人アジア福祉教育財団難民事業本部(RHQ)へ委託して支給)の予算が不足し、多くの申請者が、2009年4月以降、何らの保護も受けられないという事態が発生しました。
支援団体といたしましては、こうした事態を受け、5月12日に難民申請者の生活保障のための措置を求める再申し入れを行うと同時に、2009年4月末から9月末までの期間、「難民支援緊急キャンペーン」を実施し、372名に対して、約2,500万円の支援金を支給しました。
保護費予算の一部回復を受け、また本来申請者の支援は政府の責任として実施して頂きたいという思いから、同キャンペーンは9月末をもって終了いたしました。しかし、保護費が多くの申請者にとって命綱となっている状況は変わらず、まだ多くの者が保護費の支給を待っている状態です。
そのため、難民申請者の保護措置への迅速なアクセスを確保し、彼らの最低限の生活を保障するため、外務大臣に対し下記事項を申し入れ致します。
1.今後、保護費予算が不足し、支援を必要とする難民申請者の最低限の生活が保障されないという事態が二度と発生しないよう、十分な保護費予算の確保を求めます。特に今年度、来年度の保護費支給についても不足分が生じないよう十分な確保を求めます。
2.困窮状態にある難民申請者が迅速に保護措置にアクセスできるよう、保護費支給に関する手続の簡略化を求めます。
3.今後の保護費の支給が現在の生活保護と同等レベルで実施されるよう、さらなる見直しを求めます。また、現在、難民認定手続は平均約2年間と長期間に及んでいますが、その間に申請者が保護費に依存することなく、自立した生活を送れるよう、申請から一定期間が経過した申請者に対しては、就労許可が得られるよう、法務省等関係省庁への働きかけを求めます。
以上