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難民と移民の違いとは?

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難民と移民の定義はいくつかありますが、現実の人の動きを見てみると必ずしも明確に線引きすることはできないでしょう。国境を越えて国外に移動し、一定期間または永続的に暮らす人を移民とすると、難民も移民の中の一グループと捉えることができます。また、言語や環境が異なる移住先での経験は共通する点でしょう。なお、経済協力開発機構(OECD)は統計上、「国内に1年以上滞在する外国人」を移民と定義しています。

出国するに至った理由は、難民と移民で異なります。難民には「命の危険があり、強制的に母国を逃れざるをえない」という特徴があります。移民は一般的には自発的に国外に移動します。しかし現実には、難民にもそれぞれの思いや希望があり、厳しい状況と少ない選択肢の中でも、家族とともに尊厳を持って自立して生きていくため、子どもによりよい教育を受けさせるためにと、それらが実現できる国や地域を目指すといった主体的な側面もあります。また、移民の中にも、人身取引などの人権侵害を受け、助けが必要な人もいます。

なお、法的な観点から考えた場合、難民と移民には明確な違いがあります。難民は自分の国籍国から迫害を受けているため、国籍国からの保護を受けられない状況にあります。たとえば、日本国籍を持っている人が海外で何かトラブルに巻き込まれた場合、日本大使館に助けを求めることができますが、難民の場合はそうはいきません。難民条約に加入している国が難民を受け入れる場合、難民の出身国に代わって難民の人権を回復し、守ることが義務付けられています。その場合、難民を保護する責務は主として条約に加入している各国政府にあると考えられています。