2019.7.17掲載
1999年、小さなオフィスのたった一つの机からはじまった
私たち難民支援協会(JAR)は、2019年7月に設立20周年を迎えます。
これまで6,000名を超える難民を支援することができたのも、
私たちの活動にあたたかな手を差し伸べてくださった支援者の皆さまのおかげです。
20年という時間の中で、時代は変わり、難民を取り巻く環境も変化を続けてきました。
私たちは、その時流に対応しながら、難民を可能な限り支え、
社会に対する働きかけも続けてまいりました。
しかし「難民が新たな土地で安心して暮らせるように支え、
ともに生きられる社会を実現する」という私たちの理想には
程遠いというのが、残念ながら、現実です。
課題は、まだまだ山積みです。でも、私たちはこれまでもそうしてきたように、
あきらめることなくチャレンジを続けてまいります。
一つひとつの積み重ねが、難民一人ひとりの希望を支え、
社会の未来を変えていくと強く信じて。
これからもJARへのご支援を、どうぞよろしくお願いいたします。
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TOPICS
難民支援のいま
HISTORY
難民支援協会のこれまで
20年間、変わらずに目指してきたのが、「一人ひとりの難民に寄り添うこと」。
自立する力を引き出すことをともに考えながら、
脆弱性が高い方には可能な限り支援を提供してきました。
- 1999
- 難民支援協会設立
- 「なかなか難民として認定されることがないまま日本に滞在している難民の苦渋を傍観するにたえず、同じ人間として支援したい」(設立趣旨書より)という想いから、有志が立ち上がり、スタッフ1名、机1つでスタートしました。
- 2000
- UNHCRと契約
- 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)と事業実施パートナーとして契約。
現在に至るまで、パートナーとして協働を続けています。
- 2001
- アメリカ同時多発テロ
- テロの影響で、アフガニスタン出身の難民の不当収容が相次ぎ、仮放免に向けて弁護士と奔走しました。
- 2002
- 北朝鮮難民駆け込み事件
- 中国・瀋陽の日本総領事館に、北朝鮮からの難民が逃げ込もうとし捕らえられました。日本は難民に冷たいのかという世論が大きく高まり、その後押しを受けて、入管法改正に向けた政策提言を開始しました。
- 2004
- 入管法改正
- 「出入国管理及び難民認定法」における難民に関わる規定の一部が改正され、申請期間の制限の廃止、難民参与員制度の導入など、難民認定制度に関する初の法改正が行われました。
- 2007
- 難民スペシャルサポーターの募集を開始
- 2008
- リーマンショックにより、職を失う難民が急増
- 2009
- 外務省、難民申請者への保護費支給を打ち切り
- 困窮する難民が急増し、他団体と連携して緊急キャンペーンを実施、多くの方からの支援をいただきました。困窮した難民を地域で支援する必要性から、コミュニティ支援を開始しました。
- 2011
- 東日本大震災で被災地支援を実施
- 震災後には、被災した難民コミュニティへ支援を行う一方、「被災地のために何かしたい」「現地に行って困っている人を助けたい」という難民の声を受け、難民を含むボランティアを組織、被災地に派遣し瓦礫の撤去などを行いました。
- 2014
- 年間の難民申請者数が5,000人を超える
- シリア内戦の影響で、事務所を訪れるシリアからの難民が目立つようになりました。
- 2016
- 年間の難民申請者数が10,000人を超える
- 就労資格のある方が円滑に就労できることを目指し、就労準備日本語プログラムの提供を開始しました。
- 2017
- 事務所移転プロジェクト
「難民が安心できる空間づくり」 - 事務所移転に向けたクラウドファンディングを実施し、建築士の協力を得て、十分なスペースがあり音漏れやリラックスできる環境に配慮した、新しい事務所を実現しました。
- シリア難民の留学生受け入れ事業を開始
- 2018
- 難民認定制度における運用の見直し
- 難民申請者の就労・在留が厳しく制限されることになりました。
そして2019年―
現在は約30名のスタッフが、昨年移転した新たな事務所で、
年間約600名、日々訪れる難民の方を支えています。