活動レポート

東日本大震災 復興支援活動

    支援の行き届きづらい人へ、どう支援するか。
    JARが「難民支援」で培ってきた視点です。


    被災地の復興には、政府や自治体だけでなく、市民社会の力が不可欠です。
    東日本大震災を受けて、JARは、母国を追われ、国の保護も受けられず、既存社会のセイフティネットから漏れてしまう難民への支援活動で培った強みを生かし、今まで連携してきた専門家とともに、事業を行っています。

    1. 難民へ直接支援-難民コミュニティへの緊急訪問
    2. 難民ボランティア派遣事業-岩手県陸前高田市へ難民を派遣
    3. 女性支援-「プロテクション(受益者による権利保護)」の視点から
    4. 法律相談事業-弁護士との連携による情報弱者への支援
    5. 外国籍被災者への就労支援-介護資格の取得をめざして
    6. コミュニティ復興支援事業-「桜ライン311」事業の組織立ち上げサポート

    1. 難民へ直接支援-難民コミュニティへの緊急訪問

    日ごろからギリギリの生活をしている中、「取り残される」という不安な状況に陥った難民たち。集住する地域や個別の家庭を訪問し、物資や情報提供、個別の相談を行いました。
    また、ウェブを通じた多言語(ビルマ語、トルコ語、アムハラ語、シンハラ語、タミル語、フランス語、英語、にほんご)での情報提供も継続的に実施しました。
    [期間/訪問回数]2011年3月22日〜7月17日(終了)、22回
    [訪問地域]埼玉県川口市/茨城県つくば市/千葉県四街道市/東京都葛飾区など
    [支援人数]のべ372名
    *本事業は、通常の支援活動におけるコミュニティ支援として継続しています。
    2. 難民ボランティア派遣事業-岩手県陸前高田市へ難民を派遣

    自身の迫害の経験や記憶を重ね合わせ、国を土地を失った被災者の痛みへ共感する難民たちの想いからはじまりました。「社会の一員として自分ができることをしたい」と、ウガンダ、トルコ(クルド)、ミャンマー(ビルマ)、エチオピア、スリランカ出身などの難民が参加しました。
    [期間]2011年4月29日〜11月27日(終了)
    [参加人数]2,857名(うち難民:203名)
    3. 女性支援-「プロテクション(受益者による権利保護)」の視点から

    悩みを抱えた女性たちが孤立しないよう、女性にとって必要な物がなんでも入った”オンナのなっても袋”の配布や緊急ダイヤルなどの情報提供に加え、助産師や看護師によるからだのお悩み相談会を行っています。
    [期間]2011年5月10日〜2012年3月末(物品配布は終了、相談会は継続中)
    [相談会回数]159回
    [”なっても袋”配布数]6,669セット
    4. 法律相談事業-弁護士との連携による情報弱者への支援

    避難所や仮設住宅で、弁護士による法律相談を行っています。随時更新される復興支援制度を、紙芝居を使って、わかりやすく伝えています。また、地元弁護士と連携し、個別の相談も受けています。
    [期間]2011年4月16日〜2012年3月末(継続中)
    [相談会回数]152回
    [集まった人数]2,344名
    5. 外国籍被災者への就労支援-介護資格の取得をめざして

    失業した外国籍被災者(フィリピン、中国、チリ出身)を対象に、ホームヘルパー2級の資格取得と、介護施設での就職を目指した支援実施しています。「資格を取りたいと思ったけど、日本語の読み書きが難しくて、一人では出来なかった」という声に応じ、「やさしい日本語」による補助教材の作成や、日本語教師による勉強会を実施し、言葉の面を中心にサポートしています。
    [期間]2011年6月〜2012年3月末(継続中)
    [参加人数]56名(うち資格コース受講者は24名)
    6. コミュニティ復興支援事業-「桜ライン311」事業の組織立ち上げサポート

    陸前高田市青年団協議会の皆さんを中心に立ち上がった団体「桜ライン311」の、組織基盤整備と後方支援に関わっています。また、陸前高田市災害ボランティアセンターの支援も行っています。自立的なコミュニティの復興を目指し、地元で芽生えた新たな取り組みを支えていきたいと考えています。
     *「桜ライン311」ウェブサイト
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